「新家族」
暫く間が開いてしまった、近況報告。新家族の紹介から致しましょう。
昨年11月にプリンシーが逝ってしまってから、寂しくしておりましたが、この度、新しい仔犬が我が家へやってきてくれました。シルバーのトイプードル、名前はお銀ちゃんです。シルバーのプードルは以前から憧れでした。とても嬉しい出会いです。
お銀ちゃんが来るまでには紆余曲折があったんですヨ。今年に入ってから、「シルバーのメスが欲しいです」とブリーダーさんに伝えると、「2月の末にお渡しできる子がいます」とのお答え。わー、そんなに早く……!と喜んでいたのですが、直前になってその子に心臓の疾患があることが分かりました。ブリーダーさんはやはりその道のプロですから、どうしてもお出しできません、と断られてしまいました。「今妊娠中のシルバーがいますから、お渡し出来る4月までお待ち下さい」と言って頂いたものの、心臓の悪い子がどうなるのか心配で、その晩は眠れませんでした。「売りものにならない子は処分してしまう非道なブリーダーもいる」と以前誰かから聞いた言葉が頭の中を巡ります。
翌日、もう一度電話をして、「4月の子は4月の子で頂きますが、心臓の悪いという子も、譲って頂きたい」と伝えました。でも、「こちらで大事に育てますから」というお答えに、私の願いは届きませんでした。体の丈夫な子と暮らして欲しい……と思って下さるのも、ブリーダーさんの愛だな---と思い直して、4月を待つことにしました。
ところが、その待つ時間の永いこと永いこと。よっぽど経ったと思っても、まだ1週間、まだ10日と、カレンダーはなかなか進んでくれません。寂しさを紛らわす……といっては申しわけありませんが、犬が来る前に小鳥を飼ってみようと思い立ちました。小鳥を飼うといっても、25年ぶりくらいのこと。以前はどの家にも文鳥かセキセイインコ、カナリアくらいはいたものですが、最近はめっきり小鳥屋さんが減ってしまったことに気が付きました。ようやく見つけて行ってみると、見事に売れ残ってます……というような、年期の入った小鳥ばかり。インコなんて頭がハゲちゃってて、およそ理想的とはいえなかったりして、なかなか「この子が欲しい!」という小鳥に出会えません。何となく探し始めて2週間ばかり経ったある土曜日、どういう訳だか「今日こそ小鳥を買う日だ!」と強く思えた瞬間がありました。「○○に小鳥屋さんがあったと思うよ」という友人の情報を思い出して、乗っていた電車を飛び降りて、生まれて始めて○○の町に行ってみたのです。ところが、何たること。その小鳥屋さんは熱帯魚屋さんに変わっていたのです。小鳥はめっきり売れなくなったので、2年前にやめてしまったとのことでした。もう、そうなったら意地でも欲しい!「この辺で小鳥を売っている所って何処ですか!」と店員さんに詰め寄って、あるペットショップの名前を聞き出したのです。タクシーで15分くらいのところ。新しい家族に出会うって、情熱が伴うことなんだなぁって痛感しました。そしてめでたく、1羽のセキセイインコと出会ったのです。
「こちょね」と名付けたそのインコは、白い羽に瑠璃色のお腹、くちばしが黄色くて、鼻のところがピンク色です。買った時はまだ雛でしたので、オスかメスか分からないとのことでしたが、どうやらオスのようです。
そのペットショップには、仔犬も沢山並んでいました。「……あぁそうだ、4月の仔犬、もう生まれたかな」そう思ってブリーダーさんに改めて電話をしてみると、なんたることでしょう。「ごめんなさい、オスしか生まれませんでした」とのことでした。「もうこの際、オスでもいいです。何色でもいいです。プードルじゃなくってもいいです!」と悲痛な声を出す私に、同情してくださったのでしょうか。「とりあえず、もうちょっと待ってて下さい」とその場はおっしゃったものの、八方手を尽くしてくださったようで、翌日、「秋田にいる子が来てくれることになりました」とのお返事を頂きました。
秋田?!生後45日の仔犬がひとりで飛行機に乗って来るなんて、信じられない話しでした。でも、現実にはそういうことになっているんですね、ペット業界では!
かくして、お銀ちゃんは先週我が家へ来てくれたのです。実に実にお利口さんの、美しい仔犬です。先に家族になった、セキセイインコのこちょねとも仲良くしてくれて、飼い主としては両手に花。幸せな毎日を送っています。
「新連載」
さて、お仕事のお話しも少し。(こっちが肝心ですって?)4月から、産経新聞にインタビュー記事の連載をさせて頂くことになりました。月に2回の土曜日、先輩絵本作家たちにインタビューさせて頂いた記事が載ります。第1回、2回目は4月の5日と12日で、インタビューのお相手はやなせたかし先生です。アンパンマン、「詩とメルヘン」などでお馴染みの大先輩です。父の代からのお付き合いで、快くお話しを聞かせてくださいました。是非、読んでください。素晴らしいお話しでした。50代60代から咲く大輪の花もあるのです。「人生って本当に分からない」という言葉が何度も先生の口から出ました。まだまだ長い道のりです。皆さん、一緒に頑張りましょうね!