あっという間に、今年も半分が過ぎてしまいました。暑い盛りです。皆様お元気ですか？さて、この度の近況報告は書きたい内容が沢山あります。その中から二つだけ、選んでお伝え致しましょう。

　実に九年ぶりに、母と二人旅を致しました。期間は二週間で、訪れたのはデンマーク、ノルウェー、スウェーデンにイギリス。北欧三国とグレートブリテンの、四つの王国を巡りました。
　旅の目的は、ガーデニングの研究と（これは主にイギリスですね）、西洋陶器の骨董を見て廻ることです。両方とも母の趣味ですが、ガーデニングに関していえば、彼女はほとんどセミプロのようなもので、小淵沢のくんぺい童話館には、毎年５００〜７００種類の草花が植えられています。１５年以上、庭仕事をしていて、「本物が見たい」という衝動が抑えられなくなったのでしょう、とうとう出掛けていきました。そして、イングリッシュガーデンの花々を鑑賞するには、まさに最高の時期 -- 六月 -- に旅が実現したのは、とても幸運なことでありました。それはそれは、素晴らしいお庭を見て廻ることができましたよ。

　親子というのは、もちろんDNAを分かち合っていますから、似たところは沢山あるのですが、遠慮のない間柄ですから衝突もしがちです。九年前の旅では、小さなことで小さな喧嘩を繰り返していました。喫煙家の母と、大嫌煙家の私が同じ部屋で寝泊まりすれば、そこからして喧嘩のタネはあるわけでして……。ところが、今回は、喧嘩も言い争いも一切起こらず、実に穏やかに二週間を過ごすことができたのです。私が大人になって、母が年をとった？それも、事実。一理あります。でも、もっと根本的なところで、母に対する気持ちが大きく変わったのです。

　「生んでくれてありがとう」という感謝の気持ちは、感謝の中でも、一番深いものでしょう。その言葉を素直に母に伝えることができました。そして、母を愛する気持ち、いたわる心が、自然と強くなったのです。
　旅の間、私は、母の足を毎晩揉んで上げました。母は長年、膝を患っていて、階段の上り下りもままならぬ ほど悪化していたのです。 ところが、驚く無かれ、たった二週間の旅の間に母の膝、足、腰痛はすっかり治ってしまったのです。勿論、マッサージだけが効を奏したわけではなく、ガーデンを見て廻るために、毎日セッセと歩いたこと、十分な睡眠がとれたこと、毎日興味津々の生活をしたことなど、複数要因がいい結果 を生んだのでしょう。でも、マッサージを通して、娘からの感謝と愛情をたっぷり受けたことは、大きな影響があったはずです。
　旅の後の母は、喜びと自信に満ちているような気がしました。
　親に、素直な感謝と愛情を伝えるというのは、簡単そうでいて、とても難しいということを、私も熟知しています。ですから、あえて申し上げたい。是非、素直に伝えてください。仲良くしてください。本来の姿はそうだったのですから！そうしたら、とても気持ちが良くて、幸せであることを実感できます。永遠の別 れがくる前に、絶対に。
　さあ、頑張ってみて！！

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