Essay


●●● 藍染め ●●●

 

 童話館の庭に藍の葉を植えました。花をつける直前が、生藍を染めるベストシーズンです。普通 、藍染めは、葉を乾燥させて粉状にした「すくも」を使用しますが、生の藍は、すくもで染めるよりもうんと優しくて、デリケートな風合いを出してくれます。
 藍の葉を摘み取って水洗いしたら、水と一緒にミキサーに掛けて、生藍のジュースを作り、布でこします。絹を染める場合は、この液をそのまま染液として使いますが、木綿や麻などを染めるときは、これに灰泥、ソーダ灰を加えて液をアルカリにし、15分ほど発酵させます。
 染液は火にかけず、そのまま使います。染液の中で、染める生地を揉み動かしながら30秒。すぐに水ですすいで、干します。空気に触れると発色する空気媒染です。絹はトルコブルーとマリンブルーを足したような、やや緑がかった青に、木綿はスカイブルーといった感じの、ストレートな青に染まります。同じ手順を二度、三度と繰り返すと、段々に色が濃くなりますので、好みの色になるまで、染め重ねていけばいいのです。
 色を止めるために、絹はオキシフル水溶液に、木綿は酢酸水に浸します。こうしておけば、洗濯をしても大丈夫。
 藍色が嫌いな日本人っているのかしら?藍色好きは、我々のDMAに組み込まれているのかもしれません。万人に愛される素晴らしい色だと思います。

(2002年の個展『山のくらし』より)


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