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 いつになく気の早い桜でした。東京の桜はもう、とっくに咲き終わり、葉が繁って、初夏の雰囲気を漂わせています。
 春が早いと、何となく得したような、嬉しい気分になるものですね。花を見上げながら「今年はいいことありそう」と思った方も多いことでしょう。勿論、私もその一人でした。
 桜の花には特別なエネルギーがあります。大きく枝を張った、立派な桜の木を下から見上げた時の美しさ。でも、そのエネルギーの強さゆえか、桜を見上げるのには、ちょっとした勇気が必要です。心が本当に幸せな状態でなかったら、素直な気持ちで桜の花は見上げられないものですよ。
 もし、あなたが何のためらいもなく今年の桜を見上げることができて、「あぁ、きれいだなぁ」と心の底から思えたのなら、あなたは間違いなく幸せのただ中にいる人。どうぞ、今の幸せをかみしめてください。もし、桜がまぶしすぎて直視できなかったとしたら……来年は心から桜の美しさに感動できるよう、祈りながら頑張りましょうね。

 さてさてさて。どうなるニッポン。本当に、連日あきれるようなニュースばかりで、滅入ります。ここしばらく、立派な大人の男が、テレビの前で頭を下げない日があったでしょうか。不正、ごまかし、隠し事。日本人がこんなに不誠実だって知らなかったのは、私だけかしら?「膿を出してこそ、いい社会になる」っていわれているけれど、膿を出し切ったら、中に何も残らなさそうで、ちょっと心配です。信じて信じてやってきた、沢山の人たちが、今、失意のどん底にいることを考えると、「癒しの時代」なんて呑気なこといってられないナって、本当に思います。ちょっとした「癒し系」じゃ癒せないことばかりですもの。今年、桜を見上げられなかったお父さんたち、きっと多かったでしょう。
 お人好しの人。優しい人。正直な人。愚直なまでに正義を追い求める人。そんな人から損をする世界なんて、絶対イヤ!正直者ほど馬鹿を見る社会が住みやすいはずないですものね。
 このコラムをたまたま読んで下さった皆さん。もう、目をつぶっては駄目ですよ、行き掛かり上。何とか頑張りましょう。何の足しにもならないかもしれませんが、私も精一杯頑張ります。一人でも多くの人が明るさを取り戻すように、そして希望を感じるように、念じながら本を書かせて頂きますとも。プラス思考と愛が、世界中で一番強い武器ですものね。私はそう信じています。頑張るゾ!頑張ろう!エイエイ、オー!

(2002年4月)


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