FDL記号一覧(JFDL version 0.92-)


※ version 0.91 からの変更点は、赤字で示している。


【{】【}】… 「INFO」ブロックと「STORY」ブロックの範囲を示す。

「なぞの子守歌」の様に、言葉のリズムが面白さに大きく寄与している場合、
その歌詞自体をFDLのファイル中にも残しておきたいことがある。
短歌程度ならば、1行に収まるので「#」に続けてコメントとして記述して
おけば良いが、複数行に渡る場合は、STORY パートを「}」で閉じたさらに下
に、複数行の「#」コメントとして書いておけばよい。

【#】… コメント。行末まで有効。

【=】… 存在や状態を表す動詞(英語の「be動詞」に相当)。「男 = 怠け者」で「男は、怠け者である」。「他。動物 !=」で「他の動物は(1匹も)いない(存在の否定)」。ここで、例えば「他。動物** !=」とすると「他の動物は(たくさんは)いない」という意味になり、「少しはいる」という意味に取られる可能性がある。

【:】… 動詞と組み合わせて、時制を表したり、分詞を作ったりする(「FDL基本文法」参照)。

【!】… 否定を表す。「!持つ」で「持っていない」。「!」を付ける位置は、動詞部の先頭。

【。】… 複数の単語により 1つの要素を作る場合の接続記号。主語や目的語などに使う場合は一般 に(日本語の)「の」に相当することが多い(「蛇。子」で「蛇の子」)が、形容詞や形容動詞で修飾する際にも使われる(「赤い 。花」で「赤い花」)。動詞に使うと複合動詞を作ることができる(「切る。殺す」で「切り殺す」)。助動詞にも用いる(「可能。治す」で、「治すことが出来る」)。なお、半角文字では「.」を用いる。

【?】… 不明な要素。

※「^」の項も参照。

【$】… 既定義変数。状況文や副文等を作る時に使う。

「$副詞=○○」… 重要な副詞を記述できる

※「^」の項も参照。

【、】 … 状況文や副文と、主文とを接続する。例えば、「状況文、主文」や「副文、主文」と1行で記述できる。「状況文、状況文、主文」という具合に複数の状況文が並んでも構わないが、1行中に複数の副文や主文を「、」で接続することは出来ない。なお、半角文字では「,」を用いる。

【%】… 登場人物の置換。「% 娘 > 嫁」で、ここから先、「娘」を「嫁」とする。
「%」と「$??」の関係について。

例1:
   ?? …
   %$??>別のもの
例2:
   ?? …
   $?? …
   %$??>別のもの

つまり、直前の「??」を指す場合は、いずれも「$??」となります。

【>】…「○○ へ」「○○ に」を表す("to" に相当)。間接目的語を作る際にも用いる。

【<】…「○○ より」「○○ から」を表す("from" に相当)。

【@】…「○○ にて」を表す("at" に相当)。

「@」の位置について:
文末で問題ない場合は文末に置く(原則として「その文全体が行われた場所」を示す)。
それ以外の場所に配置して、直前の単語を修飾する場合もあるかもしれないが、できれば「^」で行を変えて記述(付帯状況として補足説明)した方が誤解されにくい。→しばらく様子見。

【+】… 「○○ とともに」「○○ を用いて」を表す("with" に相当)。「+?」で「どうやって」(方法)。

【&】…「かつ」を表す("and" に相当)。「(若者 &  娘)」で「若者と娘」。「(長女 & 次女 & 三女)」で「三姉妹」。

【|】…「または」を表す("or" に相当)。「(長女 | 次女)」で、長女か次女のどちらか。「?(長女 | 次女)」で疑問文を作ることができる(「?」の項も参照)。

【(】【)】… 文の中に含まれる文("He said that …"  における "…" など)や、要素の区切りが曖昧な時に、明示的に示す(「&」や「|」を使う場合には、必ず、カッコ =「(」「)」 で囲っておくこと)。

【;】… 目的を表す。「娘 入る 菖蒲。湯 ;女。厄 払い」で「女の厄払いのために、娘は菖蒲湯に入る」。 「;」の後には、文が来ても良いが、その場合には 「;(文)」という具合に、カッコで囲っておくこと。

【^】… 上の文で語られた要素の補足説明。「^針 :つながる: 糸」で「針には糸が繋がっていた」。
また、例えば、
  文A
  ^文B
  ^文C
  ^^文D
  ^^文E
とある場合は、 文Bと文Cは文Aで語られた要素を説明し、文Dと文Eは文Cで語られた要素を説明している。

「^」と「??」「$??」を組み合わせると、表現の幅が広がります。例えば、
  鷹 提案する (鳥 = 鳥。王)
  ^鳥 退治する 熊 @裏山
では、2行目の「鳥」に関する文が、1行目のどちらの「鳥」について説明して
いるのか分かりませんが、
  鷹 提案する (?? = 鳥。王)
  ^$?? 退治する 熊 @裏山
とすることで、「??」と「$??」が同一のものを指していることが分かります。

※「^」でも「%」でも、前と同じ「??」なら「$??」にする。

【~】… 強い関連付け。文と文とを接続する。 「(A)~(B)」で「Aだから(or Aなので)、Bになった("because" に相当)」。主に、既に起こった過去のことに用いる(「$条件」との違いに注意)。なお、「~」は1行中にひとつまで。

【*】… 個数を表す。「(蛇。子)*3」で「蛇の子が 3匹」。「(蛇。子)**」で「たくさんの蛇の子」。

※ 記号とスペースについての原則: 「基本文型」に示した各パート間の区切りとしてのスペ ースは最優先だが、あとは、「&」「|」の前後を除き 記号の前後にスペースは入れない。状況文の「=」の 前後は、例外的にスペースを入れない(暫定仕様)。


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